相続についての準備は早い程よい結果になります。その理由として下記のことが考えられます。
①財産をお持ちの本人が心身共に健全なもとで相続後のことを決めることができます。相続人の方々も納得できる遺産分割となり、争いもない穏やかな相続が出来ます。
②相続税の負担減、高齢の親の預金を子供世代が家の建築、教育資金等有効に活用できることになります。
親世代が一定の年齢を迎えたら相続後の財産の活用について検討を始められてはいかがでしょうか。
③被相続人の方が会社経営者に携わっていらっしゃるときは現実としてより多くのことを決めて実行して行くことを求められます。なかでも相続税の負担として大きな負担になるのは「自社株式」の存在です。
相続税の負担、会社経営権等自社株に関する課題は山積みしています。
これこそ早くに方針を決めて出来るだけ早期に対策すべき項目です。
相続について最大の効果を発揮する力をもっています。
財産争い、家族・親族の不信、多額の弁護士報酬を双方が負担しながら何年も対立関係を続けることになる―
オーバーではなく相続で争う事例は本当に大変なことになります。
1通の遺言がこれを止めることができます。全面的な争いを避ける働きがあります。是非、準備をしておきましょう。
ご自身、そしてご家族の大切な財産についてのことですから、まず営業目的でない専門家に相談をしてスタートしましょう。
「遺言」は正しく有効であると約束されているものを。
折角ご自身で精魂込めて作成した遺言書が形式的なことが欠けていたり間違ったりして役に立てられないこともあります。
ご自身の意思をきちんと伝えて山門化に作成を委任しましょう。
決して心配される程の費用はかからない筈です。
遺言だから自分自身で作成しないといけないと思い込んでおられる方が多くいらっしゃいます。
本当に相続を迎えたとき遺言の役目をきちんと果たせる遺言を作成しましょう。
いまお作りになる遺言書は配偶者やお子様は勿論のこと次に続くご親族、孫、曽孫等にも影響しまう。
そこまできちんときちんと相談を受けていただける専門家に作成を依頼しましょう。
遺言の形式には次の3種類があります。
ご自身のお考え、目的に沿うものをもとに選択できます。
項目 | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | 秘密証書遺言 |
---|---|---|---|
作成 | 自分 | 公証人 | 自分 |
作成費用(※) | なし | 公証人手数料 事実実験と証書作成に要した時間の合計時間1時間までごとに1万1000円 事実実験が休日や午後7時以降に行われたときは、手数料の10分の5が加算 | 公証人手数料 定額 11,000円 |
証人 | 不要 | 必要(2人) | 必要(2人) |
秘密性 | 存在、内容ともに秘密 | 証人以外は秘密 | 内容は秘密 |
紛失等の危険性 | 危険あり | 公証役場に原本を保管するため、 紛失等の危険なし | 危険あり |
検認 | 必要(家庭裁判所) | 不要 | 必要(家庭裁判所) |
証人不要で、特別な費用もかからずに、最も簡単に作成できる遺言です。
その分、遺言の信頼度は低くなるため、家庭裁判所での検認が必要です。また、法的に効力のある遺言とするための要件も多く、有効かどうかで係争となる場合や、そもそも要件を満たさずに無効となる場合もあります。
作成した遺言の紛失対策として法務局において「自筆証書に係る保管制度」が出来ました。
2020年7月10日施行です。
いくらか費用がかかり、証人の立ち会いが必要となりますが、ご自身の意思をもっとも確実に反映させて作成できる遺言です。
公証役場で作成し、遺言も公証役場でも保管するため、紛失、変造、隠匿の可能性はありません。
当事務所がすすめるのが、この公正証書遺言です。
さくら会計は、作成時の立ち会いも含めて全面的にサポートいたします。
遺言の内容を秘密にして、公証役場で作成する遺言です。
そのため、「遺言を作成した」という事実と作成月日だけが公証役場に記録されます。
公正証書遺言と異なり、遺言を公証役場で保管しないため、家庭裁判所での検認が必要となります。
遺言の内容を秘密にしたい場合を除き、公正証書遺言にすることをおすすめします。
せっかく作成した遺言が、きちんとその役目を果たせるように、以下の点に気をつけていただきたいと思います。
遺す財産はご自分の財産なので、ご自分の思うように財産分けを考えていただいて結構なのですが、相続人間の「争続」を防ぐために注意する点があります。
それは、相続人それぞれの方の「遺留分」を侵害しないことです。
遺留分とは、相続人に保証されている一定の割合の相続財産で、民法によって定められています。
各相続人にはこの遺留分の財産を請求する権利があり、これは遺言の内容に関係なしに請求できます。
具体的には、
1.相続人が配偶者や子の場合は財産全体の1/2
2.父母などの直系尊属の場合は財産全体の1/3
が相続人全体の遺留分であり、各相続人の遺留分は、結果的に法定相続分の1/2となります。
(ただし、兄弟姉妹に遺留分はありません。)
相続人が存在するにもかかわらず、財産をすべて法人や宗教団体に遺してしまったり、著しく偏った財産の分け方をすると、遺留分を侵害することになる可能性があります。遺留分を侵害された人は、自分の遺留分を侵害している相手(つまり、自分がもらう権利のある財産を相続した相手)に、自分の分の財産を返してほしいという請求をすることができます。2019年7月1日施行民法改正によりこの権利を「遺留分侵害額請求権」といい、上述の通り、民法によって保証されている権利です。
財産の分け方を考えるときは、各相続人の遺留分を保証するようにするとトラブルを未然に防げるでしょう。